株式会社虎屋 様

「虎屋の羊羹」として有名な株式会社虎屋様。創業480年という長い歴史を持ち、常に和菓子の最高級ブランドであり続けています。
和菓子に重要な餡の製造工程において、長年、弊社の手持屈折計は糖度の管理にご使用いただいております。

今回は、富士山の麓、豊かな自然に囲まれた御殿場工場にお邪魔しました。富士山の伏流水を使い、餡や羊羹を中心に作られている工場です。製造部 土屋部長様にご案内いただきました。

御殿場工場ではどのようなものを作っているのですか?

御殿場工場は和菓子の元になる餡が専門です。それと羊羹と最中です。東京工場はこちらで作った餡を利用して生菓子を作ります。今年30周年を迎えるパリの店で使う餡もこの工場で作っています。

餡の作り方を教えてください。

一言で餡といっても、約40種類の餡があります。

40種類もですか?

小豆、白小豆の原料の違いから、小倉餡、こし餡、白餡、羊羹用の餡や、最中用の餡など菓子にあわせて餡を作っており、約40種類になります。
基本的な餡の作り方ですが、まず豆を煮て皮を除き、餡の元[生餡(生伍)]を作ります。餡の元の水分をまず測り、水分や経験から炊き上げの目標糖度を決めます。
次に釜に砂糖や水を入れて、炊き上げます。炊き上げは糖度と硬さで判断します。
硬さは「えんま」と呼ばれるかき混ぜに使う大きいしゃもじの入ったときの感覚や、釜のプロペラが餡から離れた時の餡の立ち上がりなどを見て判断します。時には手で触った感覚で判断することもあり、餡によってその感覚や判断方法が異なりますから、人の勘が重要です。
糖度は糖度計で測ります。糖度も釜によって特性があるうえ、餡の元の水分との関係があるので、毎回、釜ごとに目標の糖度を責任者が決めています。現場で使用している糖度計は目盛が0.5%の単位ですが、慣れてくると0.2%刻みで目盛を読み取ることができてくるんですよ。炊き上げの目標の糖度も0.2%刻みで設定しています。

熟練の技ですね



たくさんの釜がありますが全部で何釜位あるのですか?

餡の煉り釜は全部で28釜あります。1つの釜の容量は100~500リットルです。

一人でいくつくらいの釜を担当されるのですか?

羊羹の餡は10釜くらい担当します。8分おきに次の釜へ移動して次々と糖度を測っていくこともあります。

糖度計が使われる場面は餡の炊き上げのほかにもありますか?

羊羹の場合は、使用する餡や砂糖を溶かした寒天液も煉釜に投入する前に測りますし、羊羹の最終工程でも使用します。品質管理でも規格値に入っているか確認しています。すべての工程で糖度計を使用していると言っても過言ではないです。

ありがとうございます!

各工程にそれぞれ糖度計は置いていらっしゃるのでしょうか?

そうです。最終的に品質管理課で規格値内かの確認をするので、品質管理課の糖度計の値と一致するように、毎日、基準合わせを行なっています。

品質管理課へお邪魔しました。こちらでは温度は常温状態で測定されています。羊羹を薄く切り、手持屈折計で(こちらの器種はN2)はさんで測定していらっしゃいました。常時行なう測定項目は糖度と硬さだそうです。 虎屋の味の特徴は「少し硬く、少し甘くて、後味良く」だそうで、糖度と硬さが和菓子の重要なポイントなのですね。

糖度計はいつごろからご使用いただいているのでしょうか?

私が入社したときはすでに使っていましたし、今、工場にいる最年長者の話ですと1963年にはすでに使っていたようです。

アタゴの手持屈折計の開発が1953年ですので、手持屈折計初期の頃から採用してくださっていたのですね。
手持屈折計は常に改良を加えモデルチェンジをしており、HSR-4は一度、製造中止になった器種ですが、現場にはHSR-4という御社からのご要望により、復刻致しました。

糖度計の使い勝手はいかがでしょうか?

製造工程では温度が100℃を超えるので、やはり以前から使用しているこの器種(手持屈折計HSR-4)に限ります。温度が冷めるまで待っていられないので、デジタル式のモデルも試したことがありますが、目で覘くタイプでないと駄目ですね。

土屋部長様、長い時間、ご親切に対応いただき、貴重なお話を本当にどうもありがとうございました。

これからも末永くご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

株式会社虎屋様ホームページ
http://www.toraya-group.co.jp