コンフィチュール メゾンムゥ 様

こちらのお店では果物を直接農家から仕入れています。保存料や着色料は一切使わずに、1番おいしいときの果物をそのままジャムにしています。

お店のジャムは全てチーフパティシエールの嶋村様お一人で作っています。嶋村様は製菓学校卒業後、フランス菓子のお店で働いていました。その頃、知人から無農薬の梅をたくさんもらうことがあり、その梅を使ってジャムを作ったことが現在のお店を開くきっかけとなりました。

始め、作ったジャムは個人的にプレゼントをしていたのですが、とても評判が良く、当時働いていたフランス菓子のお店でも置くようになりました。きっかけとなった梅ジャムは、上白糖やきび糖を使い分けることで人気を博し、現在も看板商品の1つです。そして2008年に独立、小菅に自らのお店「コンフィチュールメゾンムゥ」を設立しました。

チーフパティシエールの嶋村様 お店の入口

ジャム作りの工程を見せていただきました。

今回作っていただいたのはリンゴジャムです。使用したのはシナノゴールドという品種で、甘味と酸味のバランスが良いリンゴです。

そのシナノゴールドの皮を剥いていきます。皮を剥いたら一口サイズに切ります。切ったリンゴは銅鍋に移します。あっという間に胴鍋は切り分けられたリンゴでいっぱいになりました。

きれいに皮を剥かれたリンゴたち
お店のジャムはこの銅鍋で作られます

普段、1日でどのくらいのジャムを作るのですか?

1日に作る量はジャムのビン100個くらいです。基本1日1種類のジャムを作ります。

その量をおひとりでこなすなんてすごいですね。

1人でも作業がしやすい工夫をしています。砂糖が入っている袋はとても重いので、特製のキャスターつき木箱にいれて移動しやすくしています。

特製のキャスターつき木箱

リンゴの入った銅鍋を火にかけます。火にかけてから数分後リンゴから水分が出てきました。少しずつリンゴが柔らかくなっていきます。その間木ベラでかき混ぜ続けます。

30分ほどかき混ぜたところで砂糖を加えます。この時にはリンゴの色が大分濃くなってきました。

砂糖は煮詰めている途中で入れるのですね。

リンゴジャムは途中で砂糖を入れます。リンゴジャムの場合、砂糖を始めから入れてしまうと焦げやすいためです。砂糖を入れるタイミングは果物の種類によって変えています。

砂糖を加えます

砂糖はどのようなものを使用しているのですか?

グラニュー糖を使用しています。一般的なものより細かくさらさらしているグラニュー糖なので溶けやすいです。この他に奄美大島産のきび糖を使用しているジャムもあります。

すごくキメが細かいグラニュー糖

砂糖を加えた後もじっくり煮詰めます。木ベラでかき混ぜていると良い香りがただよってきます。程よくリンゴも煮崩れてきました。見た目もトロトロとして、ジャムに近づいてきたところでアクをとります。

ジャムに近づいてきたところでアクをとります
PALが登場

アクをとり、また少し木ベラでかき混ぜつつ様子を見ます。そしてここでPALが登場しました。

木ベラを使って、ジャムをPALに載せて測定します。ジャムの糖度は64.9%でした。

測定完了

糖度を確認し、ビンにできたてのジャムを詰めていきます。丁寧に、かつ手早く詰められていきます。

蓋をきゅっとしめたらジャムの完成です。

ジャムを詰めていきます
蓋をきゅっとしめたらジャムの完成 帽子とお店のロゴシールでおしゃれになってお客様のもとへ

できたてのジャムを一口クラッカーと一緒に試食させていただきました。果肉が大きくて、糖度は60%以上と高めなのに甘すぎず、自然な甘味でおいしかったです。

それぞれのジャムにキャッチフレーズがあって、このリンゴジャムには "そのままでアップルパイ″とつけています。

まさにアップルパイの中身を食べているような気分になりました。

先ほどの測定で糖度が64.9%でした。目安はどのくらいでしょうか?

このリンゴジャムの場合は糖度60%以上を目安にしています。ジャムの種類ごとに目安は異なります。

比較的高めの糖度ですね。

無添加のジャムにこだわっているため、保存料は一切使用しません。そのため砂糖が持っている自然な保存力がとても大切なんです。

測定のタイミングは?

目で見てそろそろ煮詰め終わりかな?と思ったときに確認のために測定します。または、あとどの程度煮詰めたらいいかな?というのを知るために測定します。どちらのタイミングで測定するかは、これもジャムの種類によって変わります。

今日のリンゴジャムは、煮詰め終わりの確認に測定したということですか?

そうですね。水分が少なめのジャムは、煮詰め終わりに測定するものが多いです。逆に水分の多いジャムでは、砂糖を入れるタイミングを知るために、煮詰め途中で測定をします。

果物が違うとジャムの作り方も少しずつ異なるのですね。

はい。各果物の性質から、どのような作り方が良いのかを考えています。旬の果物を使用するため同じ果物を使うのは1年後となるので、覚えておくために手順や糖度はしっかりメモをしておきます。

どれもおいしそうな色です

ジャム作りの楽しさはどこですか?

果物本来の色がきれいにでたジャムができるととてもうれしいです。着色料は使用していないので、煮詰めて飴色になりすぎないよう注意をします。きび糖を使用しているジャムはきび糖の色がでますが、基本は果物の色を生かします。

煮詰める時間が重要なのですね。

とても大事ですね。視覚や味覚などの感覚だけに頼らず、糖度計を使って測定してちゃんと甘さがでているかを確認しています。そうすることで煮詰め時間の管理ができます。

ジャム作りはどちらで教わったのですか?

基本的には独学です。1番始めはインターネット等で最低限の知識を得ました。フランスではジャムは食事に欠かせないもので、世界的に有名なジャム職人のフェルベールさんという方がいます。そのような方のジャム作りも参考にしてます。

ジャム作りで大変なことは何ですか?

一度にたくさんの果物がきてしまうと少し大変ですね。おいしい状態の果物をジャムにするので、仕入れた果物は長く保存できません。1人で作っているので、どうしても一気に作りきれないときは下処理までして少しの間保管します。

多いとどのくらいの果物が届きますか?

多いときで一度に100kgの果物が届きます。使用している銅鍋で作れる量が1回あたり4kgです。夜中までジャム作りというときもありますね。

夜中まで!

そういう時はあまり考えないようにして、目の前のことをひたすらこなすようにしています!

今回はジャム作りを目の前で拝見させていただきましたが、動きの1つ1つに無駄がなく、取材中にもかかわらず身のこなしに見とれてしまいました。

実は、この時近くには嶋村様の娘さんがいて、娘さんはお母さんがジャム作りしているのを楽しそうに見ていました。時折娘さんと言葉を交わすときの嶋村様の笑顔がとても印象的でした。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

コンフィチュール メゾンムゥ 様ホームページ
http://www.maison-m.jp

笑顔の先には娘さん