初めて酸度を測定する方

酸度測定方式徹底比較!

酸度測定方式

●中和滴定法

一番オーソドックスな酸度測定方法です。滴定にはビュレットなどを用い、手動で行う方法と機械で行う自動滴定があります。

酸性の溶液にアルカリ性の溶液を加えていくと、酸性だった溶液はだんだんと中和点に向かっていきます。さらにアルカリ性の溶液を加えると、中和点を通り越しアルカリ性になります。

中和点を知るため に、フェノールフタレインという試薬(発色液)を、元の溶液に1-2滴垂らしておきます。サンプルの溶液がアルカリ性になると、フェノールフタレインが発色します。発色寸前(中和点)までに加えたアルカリ液の量から、元の溶液にどのくらい酸が含まれていたかを知ることができます。
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自動滴定装置は、発色液(フェノールフタレイン)の代わりに、pHセンサーを溶液に挿し込んでおきます。中和点7.0付近のpH変化はわかりづらいため、目的に応じて8.2、8.0、7.8、7.2などを目標としてアルカリ性溶液を加え、滴定を行うことが多いのです。

●電気伝導度法

糖酸度計は糖度(Brix)と酸度を同時に測定できるハイブリッド測定器です。糖酸度計には測定原理が二つあります。光の屈折からサンプルの濃度(糖度、Brix)を測定する屈折率方式と、電気の流れを利用しサンプルの酸度を測定する電気伝導度方式です。

糖度(Brix)
溶液の濃度によって、光の屈折率が異なります。この原理を使ったいわゆる屈折計の機能が搭載されています。
酸度
「酸の含有濃度 対 電気の流れ(電気伝導度)」の関係を応用しています。果汁やワインに含まれている酸は有機酸で、酸の中でも弱電解質なため、精製水で薄めて測定します。
サンプルの種類によって目盛が異なります。測定対象物に合わせて器種をお選びください。
10倍希釈の方法

初めて酸度を測定する方

別の酸度測定方法に移行するのをためらう方も多いと思いますが、「中和滴定法」対「電気伝導度法」には、はっきりとした相関があります。

サンプル容器表示酢・ビネガー用モデル測定値自動滴定法
純米酢A社4.54.354.51
穀物酢B社4.24.254.28
純ワインビネガーC社5.05.685.11
純玄米黒酢B社4.54.924.41
鹿児島黒酢D社4.24.074.49
生くろす(玄米酢)E社4.54.154.74
臨醐山黒酢C社4.24.514.05
測定値に相関があっても、測定原理が異なる事により、電気伝導度法の測定値は、中和滴定法の測定値と差を生ずる場合があります。

しかし、相関があるため、糖酸度計の表示値を、中和滴定法に合わせることができます。糖酸度計 ※ には便利な「オフセット機能」が搭載されており、測定値に一定の数値を加減して中和滴定法に近い測定値を表示することができます。
それぞれの測定原理で測定した値の換算グラフを作成すると便利です。
y = A x + b
y:本器の表示値
x:本器の測定値(オフセット前の値)
A:傾き
b:加減

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オフセット機能の活用例

検出原理が異なるため測定値に差が生じる場合、滴定法と本器の相関をあらかじめ測定しておき、相関係数(A)と(b)を入力すると、滴定法の測定値に近い値を直接表示させることができます。
このグラフ例では
傾き(A)=1.18、加減(b)=-0.04を設定します。
オフセット

※ マルチフルーツ(PAL-BX|ACID F5)にはオフセット機能を搭載していません。
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