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データブック pH計-工業油とpH

工業油とpH

pHは水溶液の酸性、アルカリ性の度合いを表したものです。pH7.0が中性で、それ以下になっていくと酸性を増し、それ以上になるとアルカリ性を増していきます。水溶性の油剤は、pH8.5~9.0の弱アルカリ性のものがほとんどです。

水溶性油剤のpH

適切閾値でのpH管理が重要

水溶性の油剤の一般的な使用環境は、微生物(バクテリア、酵母、黴)が繁殖するための好条件下にあります。微生物の増殖は、油剤を腐敗させ加工不良を生じさせます。さらに、防錆性も低下するため加工部品や工作機械に錆が生じます。また微生物の中には、ひどい腐敗臭を放つものもあり工場内の作業環境の悪化を招きます。
微生物の増殖は、弱酸性から弱アルカリ性のときに起きやすく腐敗が進むとpHが低下するため管理の指標になります。 また、pHが高過ぎる場合もよくありません。皮膚はアルカリに侵されるのでpHが高い油剤は皮膚炎が生じやすくなります。

●水溶性切削油とpH

●作動油(水-グリコール系)とpH

作動油(水-グリコール系)においてもpHの管理を行います。 新油の場合、pHは10.0でpH9.0~11.0が適正です。pH9.0未満になると劣化が始まり、 pH値が低くなるほど劣化が進んでいます。