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データブック 旋光計-旋光計用語集

旋光計用語集

旋光度(Angle of Rotation)

旋光とは、ある一定方向に振動している光(偏光)がサンプル液を通過する際に、その振動方向が回転する現象です。その際の傾きを旋光度と言います。旋光計で測定する基本的な数値です。旋光度はサンプル液の濃度、観測管の長さ、温度、測定波長によって変化します。単位は ° で表します。

比旋光度(Specific Rotation)

比旋光度は、物質ごとに決められた旋光性に関する固有の数値です。物質ごとに決められた定数があり、化学便覧などの文献に記載されています。定義としては、濃度100%のサンプルを100mmの観測管で測定した旋光度と一致します。単位は°で表します。
⇒比旋光度=(10000×旋光度)/(観測管の長さ(mm)×濃度(g/100mL))

濃度(Concentration)

旋光性物質を、旋光性のない水やアルコールに溶かし、溶液にした時の濃さを濃度と呼びます。単位はg/100mLで表されます。
⇒濃度(g/100mL)=(100×旋光度(旋光計での測定値))/(観測管の長さ(dm)×比旋光度)
※ 1dm=10cm

国際糖度(International Sugar Scale)

旋光度から換算した目盛。単位は°Zで表します。26g/100mLのショ糖溶液を200mmの観測管で20℃の時に測定した場合が100°Zです。精製糖業界では、この目盛が使われています。糖度のBrix目盛と同様で、温度補正を必要とします。100°Zのショ糖液はBrix23.70%です。
⇒国際糖度=旋光度×2.888

純糖率(Purity)

全可溶性固形分に含まれるショ糖量の比率のことを純糖率と言います。純糖率測定にはBrixの値が必要です。純糖率の単位は%で表します。
⇒Pol=(26.016/100mLの質量(密度))×国際糖度
※ショ糖量をPolと称す
⇒純糖=(Pol/Brix)×100

OD(Od)

ODは光学濃度のことです。吸光度とも言います。
ある波長の光において、水の透過率を100%として、透過率10%がOD1.0、透過率1%がOD2.0、透過率0.1%がOD3.0になります。
旋光計において、着色の濃い液がどこまでの濃さまで測定可能かを表します。

ICUMSA(International Commission for Uniform Methods of Sugar Analysis)

日本語では、国際砂糖分析統一委員会と呼ばれ、数十カ国の砂糖分析委員会の活動を統合する国際的な組織です。ICUMSAはイクムサと読みます。

測定波長(λ)

旋光計に使われている光源の波長によって、旋光度は変化します。大抵はナトリウムD線の589.3nmを用いています。SAC-i 589/882は589nmだけではなく882nmに波長を変更できます。

観測管(International Sugar Scale)

大抵の旋光計では観測管という筒の中にサンプル液を注入し、その中に光を通過させて旋光度を測ります。
このサンプルを入れる筒を観測管と言います。観測管は100mmと200mmの長さのものが主流です。精製糖業界では200mmが主流、薬剤の業界では100mmが多く使われています。10mmなどの短いタイプもあります。 ※RePoシリーズは観測管を使用しません。