食塩水の測定には、比重計もよく使われています。
また、食塩水濃度の管理値として、濃度%の他に、比重値やボーメ度もよく使われます。
図のような、ガラス製の浮秤です。
ガラスシリンダーや液槽に満たされた食塩水に浮かばせて、液面の目盛を読み取ります。
比重目盛の他に、ボーメ度の目盛を目盛ったものもあり、塩ボーメ計と呼ばれています。
食塩水の濃度(比重、ボーメ度)を測るには、比重計も手っ取り早く便利です。価格は低価格なのがメリットです。
その反面、ガラス製なので破損しやすく、割れたガラスが塩水の中に入ってしまう恐れがあります。また、液面の目盛を読むので、かなり読み取りにくいです。また、お客様の状況によっては、多量の食塩水が用意できない場合もあります。
そのようなことから、食塩水が数滴で測れ、目盛が読みやすいアタゴの屈折式塩分計を選ぶお客様も多いです。
比重は1cm3あたりの「サンプルの重さg/水の重さg」です。例えば1cm3あたりの重さが、サンプルは1.65g、水が1.00gの場合は、1.65/1.00=1.65で、サンプルの比重は1.65になります。比重は温度によっても変動するので、下記のような比重目盛があります。
比重(20℃/20℃)~1cm3あたり20℃のサンプル重さ/20℃の水の重さ
比重(20℃/4℃)~1cm3あたり 20℃のサンプル重さ/4℃の水の重さ
比重の測定は比重計(ガラス浮秤)で行ないますが、それぞれの液体において「比重 対 屈折率」に一定の関係がありますので、屈折率から比重値を求めることが行なわれています。その理由として、比重計(ガラス浮秤)は多量の液体を必要とするのに比べ、屈折計はわずかな量で測定できることがあります。
ボーメ度は、比重計において比重値では値が細かくてわかりにくいので、わかりやすい目盛として作成されたものです。ボーメ度と比重は、次のような換算式です。
ボーメ度=144.3-(144.3/比重)
この換算式は水より重い液体に適用されます。水のボーメ度は0.0度です。